2016年羽黒山合宿2日目

 

昨日は夜遅くまで起きていたのでまだ眠気が残っていますが、それをこらえ、布団から這い出ます。なぜならばこの合宿の主な目的であるアカショウビンを観察するためです。前年はあと一歩というところで見られなかったので、今年は何とか見たい。そう思いながら出発しました。出発してすぐのところで、キビタキが観察されました。




               図
2-1 早朝のキビタキ

斎館の門を出てすぐ、階段がずっと続いていて、それを下っていくことにしました。早朝なので涼しく、空気も澄んでおり、快適に進んでいました。しかし、この階段はとても急で、さらに一段あたりの縦幅も狭いため、次第に転げ落ちるのではと心配になってきます。あたりは日があまり差し込まない暗い森で木がずっと先まで続いています。そうして見渡す限り木ばかりの中を進んでいると、遠くのほうから

キョロロロロロ…

あ、聞こえた。

キョロロロロロ…

でも遠いな…

すると、さらに下まで行っていたIさんたちからメッセージが。

「見えましたー!」




               図2-2 松葉の間に




                      2-3 現れてくれたね

2-3は輪郭がはっきりしていませんがお許し願います。前年は見られなかった分、見られて本当に嬉しかったです。しかしこのアカショウビンを全員が見られた訳ではありませんでした。

LINEでのやり取り

Aさん「さっき飛んだ」

Iさん「今から上にあがってくかも、アカショウビン」

その3分後

Tさん「下の方声してますか?」

Iさん「鳴いてない」

Oさん「二人ともどこまでおりたの?」

結局IさんとAさん以外その姿は観察できませんでした。

(やはりそう簡単にその姿を皆の前に現しはしてくれないのか。そのオレンジ色の体に赤い嘴の美しく魅力的な姿を、君は人の前に露にすることなく、ひっそりと深い森の奥に身を隠し、その声だけを聞かせてくれる。でも、そうして隠れてばかりいると、無性に、君を追い求めたくなるよ。)

アカショウビンは、よく響く声は聞こえるものの、その存在はなかなか見つけられないことで知られています。繁殖期は今回のように梅雨時で、雨が降りそうな時に鳴くので「雨乞い鳥」「水乞い鳥」とも呼ばれます。詳しくは「サントリーの愛鳥活動」などをご覧ください。

それから声もなく、私たちは他の鳥を探すことにしました。以下、観察できた鳥の写真です。




               図2-4 オオアカゲラ





                        2-5 クロツグミ





                        2-6 キバシリ




                  
                図2-7 キセキレイ

このほかサンショウクイ、オオルリも観察されました。

他の写真も載せておきます。



                          2-8 森へ





                   2-9 キビタキ(上オス、下メス)

(オスを見つめるメスか。なんとなく立ち方がたくましい。私はまだそんなオスにはなれない。)

 

私はまだ諦めていませんでした。もしかしたらまだアカショウビンが見られるのかもしれない。そのとき私は本殿の前の池のほとりに立っていました。カエルがゲコゲコ鳴いており、それが響いていました。それらはモリアオガエルであり、たくさんいて、昨日の夜鳴いていたのはこれだとわかりました。ときどき正面を向くものは愛くるしい顔をしています。横でそれらを一緒に見ていたYさんにこう話しかけました。

「去年見れそうだったところで見れるかもしれないので、車で行ってみたいんですけど」

Yさんはこう答えました。

「ん~、もう鳴いてないし、たぶん無理だよ。諦めたほうが良いよ」

カエルは同じ調子で鳴き続けていました。もう無理なのだろうか…。しかし私は、Yさんを何とか説得し、そして前年惜しくも見られなかった場所に行きアカショウビンを探しました。しかし結局、予想はついていましたが見つけることはできませんでした。

探鳥を終えて部屋に戻ると、眠気が限界を迎えたのか何人もの部員が寝ていました。私もただ座り、昨日の宴会で空けた酒瓶を無意味に見つめていました。

朝食を済ませて集合写真を撮り、斎館を出発して、次の目的地、五重塔へ向かいました。この塔は東北地方で最古のものといわれ、国宝に指定されています。想像以上に高いのに驚きました。非常に歴史を感じさせる外観で、周りも大木ばかりで独特な雰囲気でした。その時は観光客が多くいましたが、もしここに自分しかいなかったら、どんなに孤独なことでしょうか。修行僧はここで孤独に修行を積んでいたのでしょうか。そんなときこれを見たら少しは元気になれる気もします。




                図2-10 五重塔

私たちは次の目的地、月山湖へと向かいました。昨日からほとんど寝ていなかったため眠気が限界に達していました。車内では前の席で先輩2人が何かしゃべっていました。曇り空の合間から差し込む日の光が微妙に明るく、道も平坦で微妙に振動して、どんどん眠くなってきます。気づけば月山湖に着いていました。月山湖は広く、周りの山々の緑もきれいです。ここに来たのは、日本一の高さを誇る噴水を見るためで、その高さは112mに及びます。また、国道112号線沿いにあり、ダムの高さが112m、ダムによって移転した家屋が112戸、ダムの完成式典日が1990112日で開始時刻1120分という、112だらけのダムでもあります。私たちはこの噴水を眺めながら昼食をとりました。




              図2-11 月山湖の噴水

月山湖を後にし、次の目的地、「チェリーランドさがえ」に向かいました。相変わらず曇り空で前の席で先輩2人が何かしゃべっています。昼食をとったこともあり、眠気がさします。声がだんだん遠くなっていき、そして眠りました。が、少しして目が覚めました。そのとき、次のような会話が繰り広げられていました。

Tさん(福島)「あれたまにあるよね。何なんだろうかね。青森にもあるの?」

Yさん(青森)「あるよ」

Tさん「群馬には?」

N’君(群馬)「結構あります」

N(高知)「高知にもあります」

たまに見かけると思いますが、黒地に黄色または白の文字が書かれた看板のことです。書かれている内容はさておき、何だか長時間見たくない配色なのですよね。特に黄色が含まれているものはコガネグモの配色と同じで、不快感がして目をそむけたくなります。(※こんな話ばかりではありませんでしたが)

チェリーランドさがえに着きました。ここは山形県内各地の特産品を販売する道の駅です。前年も行ったのですが土産物が豊富で非常ににぎわっており楽しかったです。(なぜか)トルコ館というところがあり、トルコの特産品を買うことができ、山形でトルコ感を味わえます。館内にはトルコアイスも売っていて、山形ということでさくらんぼ味も売っています。ところで、それはトルコ館だけでなく本館でも買えるのですが、店員のトルコ人のおじさんがアイスを渡すときパフォーマンスをしてくれます。粘性の強いトルコアイスなので客がコーンを手に持つ寸前でアイスを離すのです。人がたくさん集まっていて多くの人がそれを楽しんでいました。早く食べたいのになかなか渡してもらえないけれど、落ちないアイスを見ていると面白いものです。いつ見ても人だかりができていました。(多くの人が楽しんでいました。けれど私はその横の普通のアイス屋で普通のさくらんぼアイスを購入しました。すごく美味しかった。私としてはパフォーマンスつきのトルコアイスより、明るいお姉さんが明るい笑顔で手渡した山形名物さくらんぼアイスのほうが心も落ち着いて美味しいと感じました。前年はトルコアイスに挑戦したのですがね。結局今年トルコアイスは食べられませんでしたが。そういう人も、きっとたぶん、私以外にもいますよね…どこかにきっと…)





               図2-12 トルコ館

すぐ後ろには寒河江川が流れています。




            図2-13 背を向けてこの時を楽しむ


チェリーランドさがえを出発して、あとは部室に帰るのみです。今回の合宿ではアカショウビンが観察できて、それ以外にもたくさんの楽しい思い出が残せて良かったです。そして私たちは無事この合宿を終えました。

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2016年羽黒山合宿1日目

 

こんにちは、野鳥の会2年のNです。今回は6月に行われた羽黒山合宿について書こうと思います。羽黒山合宿とは、山形県の羽黒山で主にアカショウビンを観察するために行われる12日の恒例の合宿です。それ以外に山形の観光地にも赴きます。

最初に訪れたのは霞城公園です。山形美術館の近くに位置し、鳥もよく出るということで訪れたのですが、コムクドリが何羽かいる程度で期待していたほどではありませんでした。下に霞城公園で撮った写真を載せておきます。

  図1-1 公園内にある最上義光の銅像




             1-2 公園内にいた猫

続いて山形美術館に行きました。山形出身の画家が描いた近代洋画の展示があり、それを目的に行きました。



             1-3 山形の近代洋画

私たちは続いての目的地、加茂水族館に向けて進みました。この日はさくらんぼ祭りというお祭りが開催されていて、それを見ていく部員もいましたが、多くの部員は昼食をとり、加茂水族館に向けて進みました。15時くらいに着いて1時間ほど見て回ったあと17時に斎館に着くという予定でした。お祭りのためか市街地はにぎやかでしたが、だんだんと建物の数も減り、緑も増し、田舎の風景に変わっていきます。照りつける太陽光は熱いものの、田園風景を貫く道は広く平坦で、少し加速する車の窓から吹きこんでくる風は気持ちいいものです。この風景はついさっき美術館で見た絵にあった風景と似ている…。そんなことを考えていたら、Iさんの運転する車から次のようなメッセージが送られてきました。

「一般優先で16時着予定です」

到着予定時刻より1時間も遅い…。そしてまたメッセージが。

「直接斎館向かいます」

ある先輩の部員はこう言っていました。「俺たちは何度も行ってるからその間に買い出し行っとく」 

(自分の心中)  ということは、Iさんたちも何度も行ったことがあるし、行かなくても大丈夫か…。

素晴らしいものや魅力的なものは、最初見たときは感動するものですが、何度も見ればその価値は薄れてゆき、退屈なものになってしまいます(逆に芸術作品、それこそ絵画などは、何度か鑑賞し直すことによって新たな発見や見方、考え方ができ、その価値は増していきます。今回実際美術館に行ってそれを感じました。1回目の鑑賞ではただ「きれいな風景だな」とかそんな単純な感想しか持てませんでしたが、2回目ではその風景から喜びや悲しみ、孤独などの人間的な感情を、じわじわと感じることができました。また、ただかごに果物がたくさん入っている絵も、2回目よく見ると、みかんのへたの部分に小さな枝と葉が残されていることに気づきました。そこからそのみかんが昔は太陽の光を浴びながら木にぶら下がっていた様子を想像し、そこから夏の太陽に照らされるみかん畑の明るい様子を想像し、さらにそこからそんな景色が地元にあったことを思い出し、そこが海の近くの小高い山にあって海を一望できたことから、自然に昔見たみかん畑から望む海が思い出されて、いつの間にか懐かしさに浸っていました。何度か見ていると連鎖的に想像が広がっていって、なんとも絵画は奥深いと感じました)。

今度は先輩Aさんからメッセージが。

「絶対来れるから来い」

(自分の心中)  絶対来てください。

結局、無事全員が加茂水族館に予定通り到着することができました。加茂水族館は海沿いにあり、そのそばの海岸は日本海と鳥海山を同時に一望できる景観スポットです。加茂水族館に来た際にはぜひ景観も楽しんでみてください。海岸で見られた鳥はほぼウミネコでした。

              図1-4 遠くを見つめる者

いよいよ入館します。この水族館で一番有名なものといえば、クラゲの大水槽です。クラゲプラネットといい、直径5mのアクリルガラス窓からミズクラゲ約2000匹が泳ぐ姿を観察できます。が、その写真は去年の合宿の記事で載せたので今回は別の写真を載せておきます。お許しください。


    図1-5 異なる方向を行く

そして斎館に到着しました。山奥にこんな厳かな建造物があると、神聖な空気に呑まれそうです。


               図1-6 ようこそ斎館へ

斎館では精進料理を食べることができます。個人的には胡麻豆が腐美味しかったです。山形名物が凝縮されており、質素な見た目・味ですが、そこには古より続く仏教僧の精神を感じます。下に精進料理を載せておきます。



                1-7 精進料理

この後探鳥に出かけた部員もいました。その時見られたアオゲラの写真です。




                1-8 アオゲラ

あと、斎館での写真も載せておきます。




                1-9 掴みかけた





                図1-10 夏の夜





           1-11 楽しそうに後ろから見つめる者

夜、少しの部員は外に出て本殿に向かいました。光はほぼなく暗闇で、見える光は、おぼろ月だけでした。カエルがゲコゲコ鳴いており、それがやけに響いていました。人の姿は見えませんが、声はよく聞こえます。

深夜、大半の部員は、暗闇に包まれた斎館を一周する肝試しをしました。ところどころ完全に暗闇のところがあり、そこでギシギシ床がきしむ音がします。漸く暗闇を抜けると、部屋がありました。覗いてみたところ、淡く白い光が微かに差し込んでおり、よく見ると、白装束が何着も吊り下がっているではありませんか。   


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Author:東北大学野鳥の会
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